27 『岐阜県裏金問題』への考察「うつ」人の考察:『岐阜県裏金問題』について考える。最近、岐阜県の裏金問題が新聞紙上を賑わせています。 私も公務員でした・・・今でも公務員ですよね!・・・(「上司」・・・「?」)。 公務員から見た『裏金問題』について考えてみます。 一番目。 日本の生活習慣について。 日本人は昔から何故か贈り物をするのが好きな国民でした。 「お中元」に「お歳暮」。 弟が結婚した時、妻が来たとき、初めて知りましたが、実家にも贈るものなのですね。 私は、業者に関る部所で仕事をしたことがないですし、上司に付け届けをする趣味もありませんので、「お中元」や「お歳暮」は貰ったことも贈ったこともありません。 でも、駐車場を借りる時や年間一括払いの時、また、知り合いの家を訪問する時など、「お菓子」程度は、持って伺う常識くらいはあります。 そう「常識」なのです。 人に何かを頼む時に日本人は、必ず「お土産」を持って伺います。 「近くのドブが詰まって臭い」なんて時、県市町村会議員などに「お土産」や「謝礼?」を持たずに頼みに行く方は、どれ位いるのでしょう? 「お土産」や「謝礼?」なしに、然も当然そうに自分の主張をされるのは、NPOか「おかしな小父さん」くらいのものでしょう。 「自分のお金で『お土産』を持っていって何処が悪い!」 皆さんは、当然そう思われるでしょう。 でも、問題は『貰う方』でなく『贈る方』の意識なのだと考えます。 『何も貰わなかったから何もしなかった』なんて公言される議員は、みえないでしょう・・・屹度。 また、『何も貰わなかったから付き合いを止める』なんてオッシャル方もみえないと思います・・・多分。 家族や事務所など『身内』に「あの人は常識が無い」とか「あの人はケチだ」なんて『愚痴』を零すのが精々なんじゃないでしょうか。 でも『贈る方』は、そうはいきません。 「あの人は常識が無い」とか「あの人はケチだ」なんて言われる事を日本人は非常に嫌うからです。 日本人の意識が問題なのです。 二番目。 『圧力団体』の方々について。 解りやすい事例として某『漁業共同組合』を例に上げます。 某『漁業協同組合』など、海岸線を埋め立てる時に、『漁業権』を放棄する事と引き換えに『補償金』を受け取ります。 『漁業補償金』については、国に制度がありますから国費から支払われます。 しかし、彼らを説得する場合、彼ら幹部は『会議室』で協議などしてくれません。 必ず、『酒』を要求します。 国など行政機関の制度に『接待費』などありません。 『漁業権』を放棄しても、彼らは、漁業を止めません。 『生活できない』からだそうです。 その後、更に「造成した埋立地」の先を埋め立てようとします。 当然、某『漁業協同組合』には、既に『漁業権』はありません。 でも彼らは、要求します。 「漁業をして生活しているのだから、『生活権』のために『補償金』を出せ!」と。 一度、『漁業権』を獲った国に、再び『補償金』を出す根拠がありません。 彼らの言う「『生活権』のための『補償金』」を何処から出せと言うのでしょう。 また、『接待費』は何処から支払われるのでしょう。 『制度に従って支払えない!』 『行政』がそう言い切るとします。 気に入らない事があると、絶対に、彼らは『役所』の前に集結して団体交渉を求めます。 大漁旗を持って『デモ行進』をします。 完全な『暴力』です。 でも、新聞からTVまで全ての『マスメディア』は、彼らを応援して『行政批判』を始めます。 ですから、『行政』は「『生活権』のための『補償金』」や『接待費』を支払わずにはいられなかったというのが当時の話です。 三番目。 公務員の意識について。 我々は「公務員になった時」に上司から、それとなく教えられます。 「国家予算を扱う旧大蔵省主計局など、毎日が『接待漬け』になる。」 「しかし、彼らは『『接待』は受けても絶対に『便宜』を謀るな!』と教えられる。」 殆どの公務員は、『『接待』は受けても絶対に『便宜』を謀るな!』を信条にしています。 ですから、公務員に贈り物をしたり、接待する人は馬鹿だと思っています。 「何の意味も無い行為をして、大事な『お金』をドブに捨てているようなものだ!」と。 私の周りには誰一人として、『便宜』を謀る人間はいませんでした。 また、上司から『便宜』を謀れと言われた事もありません。 様々な公務員がいます。 「接待を要求する者」もいれば、「便宜を謀る者」もいる事でしょう。 でも、公務員職場は独りで仕事をしている訳ではありません。 担当者より管理職の方が多い職場もあります。 如何すれば、『便宜を謀ること』など出切るのでしょうか。 オカシナ書類が廻ってきたら絶対に誰かがチェックします。 ですから、『便宜』を謀ろうとする者は、必ず見つかります。 そして、報道はされませんが、『退職』したり、『業者との接点のない事務所』に飛ばされたりしています。 『組織的に行おう』と考えても『監査』があります。 民間人による『外部監査』があります。 関係上部機関の『検査』があります。 『会計検査院』の『会計検査』があります。 『法規や通達に従っていない事業』は必ず、何処かで指摘されます。 そして、公務員全員が、『法規や通達に従っていない事業』は必ず、チェックされ、指摘されるものだという意識を持っています。 国家予算約70兆円、全「地方公共団体」予算合計約70兆円。 毎年、合計140兆円の『お金』が動くのです。 『本格的な組織不正』があれば、とんでもない金額になることでしょう。 最後。 『裏金問題』について。 「では、何故、岐阜県の様に『裏金問題』が生じるのか?」 皆さんは屹度そう思われることでしょう。 もう、『今』は、国を初め全ての地方公共団体では出来ませんが、『抜け道』が1つだけあったのです。 『職員への旅費』。 俗にいう『カラ出張』です。 『もう出来ない』と書いたのは、『今』は、どの出張に関しても、出張に行った場合は、『会議の資料』や『会議の内容を記入する復命書』が、必ず必要になりました。 御丁寧にも『市民団体』が、必ず『閲覧請求』をしてくれるので、『今』は、全ての出張について、完全に『復命書』が作られています。 でも、以前は、『口頭復命』というのが許されていました。 出勤簿に『出張』と判を押せば、『出張』と認められたのです。 ですから、『裏金』を管理する者は、特定の職員に頼んで、『出張したことにした』訳です。 そのお金がプールされて『裏金』になります。 でも、それが使用されるのは、『二番目』に書いた某『漁業協同組合』などへの『接待費』が中心です。 そして『官官接待』。 これは『1番目』に書いた日本人の意識から行われていた慣習です。 民間企業に許されて公務員職場に許されない『接待費』の捻出です。 民間企業だから『接待費』は、誰も問題にしないようですが、皆さんが購入する商品には、その『接待費』分が『上積み』されているのです。 税金から支出されることは、勿論、問題ですが、知らないうちに直接、商品に価格転嫁される事も問題のような気がしますが・・・。 岐阜県は年間予算額が1兆円前後だったと記憶しています。 上記理由で、『今』は、岐阜県も『裏金』を捻出することは不可能です。 問題になっている『裏金』は、相当昔に『カラ出張』を組織的に集めたものなのでしょう。 ですから、『1兆円前後の年間予算』を持つ岐阜県でも、『何年もかかった組織的な不正行為』といわれる『裏金』は、『17億円前後』に止まったのです。 「『裏金』を燃やしてしまった職員」には『唖然』としましたが、本来は、某『漁業協同組合』など『圧力団体』や『関係上部機関』への『接待費』だった筈です。 岐阜県は海に面していませんが・・・。 私は、税金を不正に使用する『裏金』を肯定する心算は毛頭御座いません。 ただ、公務員(だった者?)から『裏金』が「何故、組織的に集められ、何のために使われたのか」を皆さんに知って欲しかったからです。 公務員が「自分たちで飲み喰いする」為では絶対にありません。 『民間は皆正しく、行政が皆悪い』 マスメディアが大衆に迎合する余りに作り出した原則です。 民間だからという理由だけで、マスメディアが絶対に報道しない某『漁業協同組合』など、税金を『喰い物』にする存在があるのです。 『接待』や違法な『補償金』を要求する存在があるのです。 『今』は、国を初め全ての地方公共団体は、『関係上部機関への官官接待』や『圧力団体』への『接遇』、そして根拠のない『補償金』などは、完全に拒否します。 『払えないものは払えない!』 はっきりと返答します。 誰も好き好んで『裏金』など作りたくは無かったのです。 『今』、漸く『裏金』という『亡霊』から開放されました。 公務員全員がホッとしている筈です。 以前の某『漁業協同組合』への「『生活権』のための『補償金』」は、何処から支払われたのかって? 『裏金』で済む範疇なら『裏金』からでしょう・・・多分。 済まない額であれば・・・。 腹を括って『会計検査院の会計検査』に臨んだに違いありません・・・屹度。 ジャンル別一覧
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